Kannkyo Day's

ソフトウェアエンジニアの日常系ブログ

リーダーシップのアフォリズム - 米軍編

はじめに

リーダーシップに関する箴言(アフォリズム)をまとめた。

マイケル・アブラショフ, アメリカ海軍に学ぶ「最強のチーム」のつくり方

部下に指示する前にやること

私は目標を明確にし、それを行うだけの時間と設備を与え、部下がそれを正しく行うための適切な訓練を受けていることを確認しないかぎり、もう二度と命令を口にすることはしないようにと、心に誓った。

倫理的に判断すること

恥ずべきことだとわかった場合は、それを実行に移さなかった。誇りに思えるのなら、堂々とその道を進んだ。

部下の提案を受け入れること

すばらしいアイデアを採り入れるのに要する時間は、たった五分だった。

法的に判断すること

今日のめまぐるしく変化する世界にあっては、本当に重要なもの以外、規則は"厳然たる法"としてではなく、"指針"として扱われるべきである。

部下を鼓舞すること

この武勇伝における私の唯一の役割は、部下の話に耳を傾け、彼のアイデアを評価し、それがよいものだと確信すると、それを懸命に外部にアピールすることだけだった。

マイケル・アブラショフ, アメリカ海軍に学ぶ「最強のリーダー」

怒りを冷ますこと

「腹が立ったときは、伝えたい内容を書いて、ひとまず未決箱に入れておけよ。四八時間経ってまだ同じ心境であれば、そのまま送ってもいい。」

戦略と実行力

どれほどすぐれた戦略も、実行に移すすぐれた人材がいなくては、机上の空論にすぎない。

第一印象

第一印象などあてにならない。とくに人間の可能性を判断する際には。

無用な承認

大手メーカーの「ゼネラル・エレクトリック」が自社の大きな失敗例を分析したところ、上司の承認を一つ増やしたくらいでは防げた事例は、まったくなかったそうだ。

準備

「準備を怠ることは失敗の準備をしているのに等しい」

危機対応の心得

偉大な艦長というのは、危機を迎えたときにはかならず艦橋にいるものだ

人材像を示すこと

「どういう人が優秀であるのか」それをはっきりとさせ、なぜそれが重要かを伝え、そして乗組員全員に、誰もが実現できることだと自覚させる

ビジョンと数値目標

数字を達成するために働くというのはわかる。しかし、それがなんだというのだ?

競争と協力

パフォーマンスを向上させるのは競争ではなく連帯だ。

労働の対価

もちろんエンジニアにも可能な仕事だが、それでは艦のタービンに緊急措置や調整を施す時給一〇〇ドル(約一万円)に相当する仕事をする人が、時給一〇ドル(約一〇〇〇円)の仕事をするのに等しい。

娯楽

単調になりがちな業務を活気づけるためにも音楽を使い、業務に支障がないかぎり、パーティーや娯楽を推奨するほうがいい。

連帯

嵐のなかを歩けば艦長も水兵も等しく濡れるものだし、艦が沈めば溺れるのは全員だ

時間のセンス

人生はマラソン競技であって、短距離走とは異なる

自らを省みる

「部下が愚かに見えたら、自分が気をつけなくてはなりません。リーダーが思っているよりも、彼らはずっと頭がいいのです」

権威

すべてのリーダーは、その権限を象徴するモノをなかなか手放せない。

エドワード・M・フラナガンJr, アメリカ陸軍統帥法

アメリカ陸軍統帥法―リーダーシップと管理の52条

評価

伝説によれば、ドイツ参謀本部は歴戦の経験から、すべての将校は程度の差はあるが、二つの基本的な生まれつきの特徴、つまり知能と精力を持っているという結論に基づいた評価方法をし、これら二つの特徴のみを使って全将校を次の四つに分類した。

(1)頭がよくて、よく働く者は参謀。 (2)頭はよいが、なまけ者は司令官。 (3)頭が悪くて、なまけ者は連絡将校。 (4)頭は悪いがよく働く者は射殺。

心理的安定性

安定することがいかに有意義であることかは、第二次大戦当時の部隊の旧友会が何百となく全米で開かれていることをみればわかる。どの旧友会でも自分の隊が最高で、全世界を救ったのだと、全員が思っている。

働く理由

兵士が戦って死ぬのは勲章や栄誉や賜暇のためではなく、戦友と隊のためだと結論づけた研究が少なくない。

アメリカ海軍協会, リーダーシップ「アメリカ海軍士官学校候補生読本」

勇気と恐怖と責任

勇気は恐怖をもたぬ状態ではなく、一切の恐怖を抑圧し、たとえ明らかな危険を認めているにもかかわらず、職責を履行することである。

陶冶による規律

積極的規律とは、具体的な特別の命令を受けても受けないでも、個々の人たちが正しいことをしようと努力する心的状態を陶冶することである。

下級者たる部下

概括すれば、二〇世紀中期の士官は上司たる上級者であって、もはや「優越者」ではなく二〇世紀中期の応募兵は「部下たる下級者」であるが、劣等者ではない、といえるだろう。