- はじめに
- 堀越二郎, 零戦 その誕生と栄光の記録
- 松浦晋也, 増補 スペースシャトルの落日
- 神田國一, 主任設計者が明かすF-2戦闘機開発
- マルティン・ハイデガー, 技術とは何だろうか
- ベートーヴェン, 音楽ノート
- 杉田玄白, 蘭學事始
- 岡倉覚三, 茶の本
はじめに
堀越二郎, 零戦 その誕生と栄光の記録
イチから考えるということ
設計のしきたりや規格を、神格化して鵜のみにするようなことをやめて、その根拠を考え、新しい光を当ててみたらどうだろうか。
生みの苦しみと楽しみ
新機軸を打ちだすことは、苦しくもあるが、また、技術者冥利につきる楽しみでもあった。
矛盾する要求と技術者の思い
この二人の意見は、だれが見てもそれぞれ正しいことを言っているのであり、それゆえに議論は永久に平行線をたどるだろう。この交わることのない議論にピリオドを打つには、設計者が現実に要求どおりの物を作ってみせる以外にはない。
長期的な進歩
われわれ技術に生きる者は、根拠のない憶測や軽い気持ちの批判に一喜一憂すべきではない。長期的な進歩の波こそ見誤ってはならぬ
思い込みと不具合調査
「先入観をすて、慎重に調査研究をすすめ、ほんとうの原因と正しい対策をさぐらねばならない。しかも、それは早急にと要請されている。」
松浦晋也, 増補 スペースシャトルの落日
技術と政治
技術的問題に政治が介入するとろくなことにならない
要求分析
なんでもできる万能機械はすべての用途で寸足らず
神田國一, 主任設計者が明かすF-2戦闘機開発
NDAの弊害と外注の限界
主契約者の設計に関して間違いに気づいても何も言わず・・・日米開発事業で両国の優れた技術を基に互いに技術者が技術論議を重ね、技術的に優れた結論を出して設計に至ったことはなかった。
技術継承
およそ10年に一度、開発が行われれば、きちんと技術を継承できる
上司の役割
マルティン・ハイデガー, 技術とは何だろうか
創造と進歩
「現前的であらざるものから、現前的にあり続けることへと、たえず移り行き、成り行くものにとっての、始動のきっかけとなるあらゆるもの、これこそがポイエーシス [poiesis]、つまりこちらへと前にもたらして産み出すことなのです」
技術とは
私たちは道をまちがってどこに迷い込んでしまったのでしょうか。私たちは、技術とは何だろうかと問うているはずが、気がつくとアレーテイアに、つまり顕現することにたどり着いています。
技術とは顕現させるあり方の一つ。
ベートーヴェン, 音楽ノート
自ら考えること
他人の忠告に従ってよいことはきわめて稀れである。一つの事柄をよく考えぬいた上では、だれが当人以上にすべての事情をもっと具体的に考え得られようか?!
早起きと勉学
毎日五時半から朝食まで勉強すること!
杉田玄白, 蘭學事始
プロの恥と決意
途中にて語り合ひしは、さてさて今日の實驗、一々驚き入る。且つこれまで心付かざるは恥づべきことなり。苟くも醫の業を以て互ひに主君主君に仕ふる身にして、その術の基本とすべき吾人の形態の眞形をも知らず、今まで一日一日とこの業を勤め來りしは面目もなき次第なり。なにとぞ、この實驗に本づき、大凡にも身體の眞理を辨へて醫をなさば、この業を以て天地間に身を立つるの申譯もあるべしと、共々嘆息せり。
自ら行動する
人に託してはわが本意も通じがたく、やむことなく拙陋(せつろう)を顧みずして、自ら書き綴れり。その中に精密の微義もあるべしと思へるところも、解しがたきところは、疎漏(そろう)なりと知りながらも、?ひて解せず。
外国語の訳し方
人々の暁り易きを目當として定むる方と決定して、或は翻譯し、或は對譯し、或は直譯、義譯と、さまざまに工夫し、かれに換へ、これに改め、晝夜自らうちかゝり
岡倉覚三, 茶の本
不完全さ
茶道の要義は「不完全なもの」を崇拝するにある。
王道なし
立派な茶をたてるのにこれぞという秘法はない
おのれの道をつらぬく
偉い利休は、自分だけにおもしろいと思われる物をのみ愛好する勇気があったのだ。しかるに私は、知らず知らず一般の人の趣味にこびている。
人間の本質
人間は十で禽獣、二十で発狂、三十で失敗、四十で山師、五十で罪人といっている。たぶん人間はいつまでも禽獣を脱しないから罪人となるのであろう。