Kannkyo Day's

ソフトウェアエンジニアの日常系ブログ

2022年7月の読書メーター

7月の読書メーター
読んだ本の数:8
読んだページ数:1920
ナイス数:81
システムズエンジニアリングハンドブック 第4版
システムズエンジニアリングハンドブック 第4版感想
ぱらっと読んだ。本書のシステム定義の説明はおざなりで、ISO/IEC/IEEE 15288 を読まないと理解できない。本書の過半を占めるシステムズエンジニアリングのプロセスの解説も、結局はISOの焼き直しのように見える。これなら、無料で読める JISX0170:2020 (ISO15288の和訳)の方がはるかにマシだ。宇宙、防衛等の各分野での応用例や事例が申し訳程度に文章でつらつらと書かれているが図表もなく、具体性にも乏しく、理解を助けるものになりえない。正直、拍子抜けした一冊。
読了日:07月31日
著者:

ソフトウェア科学基礎―最先端のソフトウェア開発に求められる数理的基礎 (トップエスイー基礎講座)
ソフトウェア科学基礎―最先端のソフトウェア開発に求められる数理的基礎 (トップエスイー基礎講座)感想
いささか名前負けしている感は否めない。ソフトウェア科学基礎と言いつつも、品質分析に必要な統計学もなければ、見積もりに必要な代数学もない。トップエスイーシリーズの他書の例に漏れず、形式手法に主眼を置き、論理学に特化している。たしかに、本書の特色はソフトウェアへの応用例を示しつつ、古典論理から時相論理までを数学的に解説しているでんであろう。その手の本は、確かに多くない。しかし、一階述語論理を超えると決定不能になることが数学的にわかっている形式手法に、どれほどの応用的価値があるのか、は疑問だ。
読了日:07月24日
著者:磯部 祥尚,櫻庭 健年,田口 研治,田原 康之,粂野 文洋

形状設計ノウハウ集 熟練設計者の頭の中にある,知恵と工夫を教えます
形状設計ノウハウ集 熟練設計者の頭の中にある,知恵と工夫を教えます感想
機械設計のノウハウをデザインパターンに落とし込んだ珍しい一冊。フルカラーの書面に並ぶCAD/CAMのモデルと応力解析の3Dデータは、オンデマンド印刷ならでは。認知科学やデザイン工学をベースにした筆者の設計フィロソフィーの解説も興味深い。これで2千円というのは安すぎでは!?
読了日:07月24日
著者:松岡 由幸

図解入門よくわかる最新半導体製造装置の基本と仕組み[第3版]
図解入門よくわかる最新半導体製造装置の基本と仕組み[第3版]感想
イマイチわかりにくい本だった。平面的な模式図は豊富だが、写真や立体感のある図は少なく、初見では装置の構造をイメージしにくい。また、装置毎の説明は豊富だが製造プロセスの全体像の解説に乏しく全体像を見通しにくい。わかったような分からないような。
読了日:07月24日
著者:佐藤 淳一

駄目パターンに学ぶ 失敗しないソフトウエアテスト実践ノウハウ
駄目パターンに学ぶ 失敗しないソフトウエアテスト実践ノウハウ感想
IEEE829の紹介が興味深かったくらいで、ほかに良いところは見当たらず。内容的にはアッサリしていた。
読了日:07月23日
著者:SHIFT 品質・技術統轄部 技術推進部/品質プラットフォーム推進部

【この1冊でよくわかる】 ソフトウェアテストの教科書 [増補改訂 第2版]
【この1冊でよくわかる】 ソフトウェアテストの教科書 [増補改訂 第2版]感想
幅広くテストについて解説した本。CIT-BACHによる組み合わせテスト技法、テスト観点とテスト対象機能の表形式で整理したテストマップなど、実務的なテクニックが並ぶ。豊富なテスト支援実績を誇る執筆陣の経験値がうかがえるというものだ。具体的なテスト計画書などの文書例や、テスト技法の選択方法のフローチャートなども実用的で嬉しい。JSTQBのテスト対策にも役立ちそうだ。
読了日:07月23日
著者:布施 昌弘,江添 智之,永井 努,三堀 雅也

新訂 魏志倭人伝・後漢書倭伝・宋書倭国伝・隋書倭国伝: 中国正史日本伝 1 (岩波文庫)
新訂 魏志倭人伝・後漢書倭伝・宋書倭国伝・隋書倭国伝: 中国正史日本伝 1 (岩波文庫)感想
名にし負う魏志倭人伝。1700年以上前の日本人の風土と風俗を生き生きと描く。驚くべきは、短い文章の中に盛り込まれた内容の豊富さと詳細さだ。10頁ほどの文章に、対馬国から順々に日本各地を巡りながら、日本人の容姿、家屋、文化、政治などの様子を、具体的な数字を挙げながら細かく書き記している。現代社会でも学術的な文献として通用するレベルではないだろうか。
読了日:07月16日
著者:

大学教育について (岩波文庫)
大学教育について (岩波文庫)感想
1867年、当代きっての知識人であるジョン・ステュアート・ミルは、学生投票によりスコットランドセント・アンドルーズ大学の名誉学長に選出された。本書は、その名誉学長就任講演の草稿である。哲学者、経済学者として名を馳せた彼も、教鞭をとった経験はない。しかし、彼の語る大学教育の原点と理念は本職の教授たちをも唸らせるものがあった。いわく、大学の目的は有能で教養ある人を育てることであり、教養には知識と道徳があり、知識には文学と科学の両方が不可欠である、と。日本の大学生に読んでほしい一冊だ。
読了日:07月03日
著者:J.S.ミル


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