Kannkyo Day's

ソフトウェアエンジニアの日常系ブログ

論語(孔子) 名言集

人生の節目

子曰、

吾十有五而志于学、

三十而立、

四十而不惑

五十而知天命、

六十而耳順

七十而従心所欲、不踰矩。

三省す

吾日三省吾身

(吾、日に三たび吾が身を省みる)

私は、毎日三回自分のことを省みる。

温故知新

子曰、温故而知新、可以爲師矣

(子曰く、故きを温めて新しきを知る、以て師と為るべし。)

学ぶことと考えること

子曰、學而不思則罔、思而不學則殆

(子曰く、学びて思わざればすなわち罔(くら)し、思いて学ばざればすなわち殆(あやう)し。)

日々を懸命に生きること

子曰、朝聞道、夕死可矣

(子曰く、朝に道を聞かば、夕に死すとも可なり。)

先生は、「朝に正しい真実の道が聞けたら、その晩に死んでもよろしいね。」と仰られた。

体裁と本質

子曰、士志於道、而恥惡衣惡食者、未足與議也

人から学ぶこと

子曰、見賢思齊焉、見不賢而自省也

知ること、好きなこと、楽しむこと

子曰、知之者不如好之者、好之者不如樂之者

(子曰く、知るは好むに如かず、好むは楽しむに如かず)

先生は、「知っているというのは好むのには及ばない。好むというのは楽しむのには及ばない。」と仰られた。

楽しいことをすべし。

得手不得手

子曰、中人以上、可以語上也、上也中人以下、不可以語

(子曰く、中人以上には、以て上を語ぐべきなり。中人以下には、以て上を語ぐべからざるなり。)

先生は、「中以上の人には上のことを話してもよいが、中以下の人には上のことは話せない。」と仰られた。

禁欲

子絶四、毋意、毋必、毋固、毋我

(子、四を絶つ。意なく、必なく、固なく、我なし。)

先生は四つのことを絶たれた。勝手な心を持たず、無理おしをせず、執着せず、我を張らない。

責任の所在

子曰、君子求諸己、小人求諸人

(子曰く、君子は諸れを己れに求む。小人は諸れを人に求む。)

能力向上の限界

子曰、唯上知與下愚不移

(子曰く、唯だ上知と下愚とは移らず。)

先生は、「だれでも習いによって善くも悪くもなるものだが、ただとびきりの賢い者とどん尻の愚か者とは変わらない」と仰られた。

つまり、教育によっても最も上と最も下は不動である。

生徒と教える価値

子曰、不憤不啓、不悱不發

(子曰く、憤(ふん)せずんば啓(けい)せず。悱(ひ)せずんば発せず)

リーダーシップのアフォリズム - 哲学編

はじめに

リーダーシップに関する箴言(アフォリズム)をまとめた。

イマニエル・カント, 永遠平和のために

権限と義務

何人もその力以上に義務を負はず。 ultra posse nemo obligatur

ショウペンハウエル, 読書について

読書と思考

読書は、他人にものをかんがえてもらうことである。(Wann wir lesen, denkt ein Anderer fur uns.)

ルネ・デカルト, 方法序説

真偽

真らしく見えるにすぎないものは、いちおう虚偽とみなした。

判断能力と蓋然性

どれがもっとも真なる意見か見分ける能力がわれわれにないときは、もっとも蓋然性の高い意見に従うべきだ…中略…一度決めたあとはその意見を、実践に関わるかぎり、もはや疑わしいものとしてでなく、きわめて真実度の高い確かなものとみなさなければならない。

G.Polya, いかにして問題をとくか

計画の重要性

問題を解くことの大部分はどんな計画をたてたらよいかということを考えつくことにあるといってよい。

イェーリング, 権利のための闘争

不満と提案

頭の悪い連中の常として不満と否定の言辞を弄するだけで自分の考えを積極的に打ち出せない中途半端な態度にとどまる

ヘーシオドス, 仕事と日

労働と汗

優れて善きことの前に汗をお据えになられた、達する道は遠くかつ急な坂で、始めはことに凹凸がはなはだしいが、頂上に到れば、後は歩きやすくなる

段取り

仕事をあす、あさってと延ばしてはならぬ。仕事を怠る者も、延ばす者も、納屋を満たすことはできぬ。

苦難

昼も夜も労役と苦難に苛まれ、その熄む時はない

若手ソフトウェアエンジニアへのおすすめ本まとめ

はじめに

概要

若手ソフトウェアエンジニアにおすすめしたい本をまとめた。

凡例

難易度

  • ★☆☆☆☆:1~3年目向け
  • ★★☆☆☆:
  • ★★★☆☆:4~6年目向け
  • ★★★★☆:
  • ★★★★★:7年目以降向け

おすすめ度

  • ★☆☆☆☆:趣味レベル
  • ★★☆☆☆:
  • ★★★☆☆:余力のある方向け
  • ★★★★☆:
  • ★★★★★:必読

アーキテクチャ

Clean Architecture [ Robert C.Martin ]

難易度 ★★★★★
おすすめ度 ★★★☆☆

IT業界でお馴染みのボブおじさんの力作。

データベースやフレームワーク等の”details” に依存せずにアーキテクチャを組み上げる方法論を説明する記事を1冊にまとめた本。

IT業界には大きく2つの派閥がある。1つはボブに代表されるプロダクトのコーディングを重んじるクラフトマン達、もう1つはプロセスの理論を重んじるエンジニア達。

ボブは、コーディングを重視するという観点で、多様な事例をUMLやコードで示しつつ、クラフトマン達に自説を訴えかける。

開発プロセス

「派生開発」を成功させるプロセス改善の技術と極意 [ 清水吉男 ]

難易度 ★★☆☆☆
おすすめ度 ★★☆☆☆

日本人が考案した世界ではマイナーなソフトウェア開発プロセス

いま世界では、どうやっているんだろう。

特に金融とかのミッションクリティカルなエンタープライズではどうか。

XDDPが考案された2000年初頭と比べると様々なツールや開発プロセスが巷に溢れている。そっちの方がこうりついいんじゃないか?

テスト

JSTQB Foundation [ 大西 建児 ]

難易度 ★☆☆☆☆
おすすめ度 ★★★☆☆

国際的なテストの資格ISTQBの日本版。海外とも互換性があるので国際的に通用する資格。

しかし日本ではマイナー。情報処理技術者試験に”テスト”がないように、日本ではテストの体系的教育が軽視されている。

JSTQB Foundation の試験範囲は実務的かつ基本的なことばかり。新卒社員とかに受けさせた方がいいんでね?

テスト駆動Python

難易度 ★★★☆☆
おすすめ度 ★★★★☆

ちまたのPython本に物申したい。”で、どうやってテストすんの?”、と。

本書は、ディープラーニングだの、セキュリティだのと言った流行りのバズワードは一切出てこない。

淡々とテスト駆動のためのテクニック、特にpytest フレームワークを解説するだけだ。

しかし、テスティングフレームワークを使いこなすのは、コーディングの中でも最も重要で、最もややこしいものだ。

筆者の語り口は、オライリーのように気取ったところもなく、論文のように堅苦しいこともない。

中級者向けにおすすめの一冊だ。

ドメイン駆動開発

ドメイン駆動設計入門 [ 成瀬 允宣 ]

難易度 ★★★☆☆
おすすめ度 ★★★★☆

Eric EvansやRobert C.Martinの書を引用しつつ、ともすれば抽象的でわかりにくいドメイン駆動設計の要諦を、きちっと説明しきった入門書。

まさに巨人の上に立つ本と言える。

ドメインオブジェクトを形成する値オブジェクト、エンティティ、ドメインサービス、インフラストラクチャを担当するリポジトリユースケースを担当するアプリケーションそしてこれらの依存関係を簡素化するファクトリ、集約、仕様。様々な概念をわかりやすく説明しきっている。

実践プログラミングDSL ドメイン特化言語の設計と実装のノウハウ [Debasish Ghosh]

難易度 ★★★☆☆
おすすめ度 ★★★★★

比較的実践的なドメイン固有言語(DSL)の入門書。

JavaScalaRuby及びGroovy等の複数言語のDSLの実装方法を幅広く紹介する。

DSL云々以前の基本的な文法の説明はしてくれないので、読者に要求される技術レベルは高い。 が、日本であまり普及していないDSLを幅広く知るには、最善の一冊。

ビジネス

IT負債 [ 室脇 慶彦 ]

難易度 ★☆☆☆☆
おすすめ度 ★★★★★

日本はIT負債を清算できないままWithコロナ時代に突入。ハンコ文化、紙文化などの古い商習慣を引きずりつつ、政財界の思惑が絡み合い、日本は前に進めないまま滅びつつある。

最近のテレビを見ていると「世界から尊敬される日本」とか「世界に広まる日本文化」などの威勢の良い言葉が目立つ。

しかし、世界から”まねぶ”ことを忘れ、過去の栄光にすがっていては前に進むことなどできない。過去のIT”資産”をすべて捨てるほどの覚悟を持って血を流しながら進むしかないのである。

リーダーシップ

アメリ海軍士官候補生読本 [ アメリカ海軍協会 ]

難易度 ★★★★★
おすすめ度 ★★☆☆☆

リーダーシップを多角的に分析した稀有な本。

たかだか254ページで、およそすべての観点からリーダーのあるべき姿を分析している。

その内容は、組織メンバーの分析から、リーダー自身の節制、酒癖、食堂のマナーにまで至る。

その心は、海軍とは生き方そのものであり、リーダーとは全人格的で一生の修練を要する難事、ということに尽きる。

OODA LOOP [ チェット リチャーズ ]

難易度 ★★★☆☆
おすすめ度 ★★★★☆

OODAループはボイド元海軍大佐が空戦経験を昇華して提唱した、米軍ドクトリンの根幹をなす戦略だ。

OODAループをPDCAサイクルの亜種のように軽く見て本書を開いた者は、おそらく痛い目を見るだろう。

OODAループは単なる方法論ではなく、組織文化と一体化して自ら改善していく戦略にほかならない。

そこにはPDCAサイクルで否定された暗黙知や属人化が闊歩していた。

訳者が述べているようにPDCAでは対応しきれないAI時代に読みたい一冊。

アメリカ海軍に学ぶ「最強のチーム」のつくり方 [ マイケル・アブラショフ ]

難易度 ★☆☆☆☆
おすすめ度 ★★★★★

ペルシャ湾洋上での著者の体験談は、太平洋のはるか彼方に住む私に、不思議な説得力をもたらした。

縦割組織、硬直的制度、年功序列非正規労働者増加など、米海軍と日本企業には実に共通点が多い。

また、名言の宝庫でもある。

  • すばらしいアイデアを採り入れるのに要する時間は、たったの五分だ
  • どんな小さな提案であっても、いいアイデアは惜しみなくほめ、その提案者の"実績"として高く評価した
  • 本当に重要なもの以外、規則は"厳然たる法"としてではなく、"指針"として扱われるべきである
  • きみたち全員が艦長だ!

アメリカ海軍に学ぶ「最強のリーダー」 [ マイケル・アブラショフ ]

難易度 ★☆☆☆☆
おすすめ度 ★★★★★

前作の「最強のチーム」とは打って変わって、本書では他業種の優れたリーダーの経験談を織り交ぜながら、理想のリーダー像を語る。

筆者の所属していた米国海軍は、タテ割で閉鎖的な組織、硬直的な雇用制度、年功序列な賃金制度など、実は日本の大企業と共通項の多い組織だ。

だからこそ、本書には日本の大企業にも受け入れやすい方法が溢れている。

筆者は言う、「数字を達成するために働くというのはわかる。

しかし、それがなんだというのだ?」と。

経営手法やガバナンスのタテマエばかりが先行した、平成最後の年に読みたい一冊。

インフラ

絵で見てわかるITインフラの仕組み [ 山崎 泰史 ]

難易度 ★☆☆☆☆
おすすめ度 ★★★★★

良書。

ITインフラを構成する個別の製品には踏み込まず、製品のウラにある理論や共通概念にフォーカスしてまとめられた、末長くツカエル一冊。

それだけだと抽象的過ぎてわかりにくくなりがちだが、一例としてOracleのDBやCiscoのスイッチなどの有名製品を挙げて解説してくれるのが有難い。

新人研修にも使えそうだ。

インフラデザインパターン [ NTTデータ ]

難易度 ★★★☆☆
おすすめ度 ★★★☆☆

わかりやすい。

多少図表が見にくい部分はあるが、それを補って余りある論理性と網羅性を有する。

さすがはNTTデータといったところか。

クラウド時代にもそれなりに通用する内容。

この種の、COTSや開発手法に依存しないソフトウェア工学的な考えができるようになりたいものだ。

DevOps

Ansible実践ガイド [ 北山晋吾 ]

難易度 ★★★☆☆
おすすめ度 ★☆☆☆☆

Ansibleの特徴はSimple, Powerful, Agentless。

Orchestration, Configuration Management, Provisioning の3種類のタスクをより簡便に実現している。

とにかく、カンタンに自動化してくれるし、RedHat, inc.が商用版を提供しるから、OSS版もサポート手厚い。

DevOps導入指南 [ 河村 聖悟 ]

難易度 ★★★☆☆
おすすめ度 ★★☆☆☆

割とDevOps初期に出版された日本語文献。

概念的なところからツールの使い方までカバー。

ただし開発環境がSaaS前提なので、諸々の理由でSaaSを使えない人は悲しい気持ちになる。

GitLab実践ガイド [ 北山晋吾 ]

難易度 ★☆☆☆☆
おすすめ度 ★★★☆☆

GitLabは単にGitリポジトリの管理ツールだと思っていた。

しかし、GitLabはDevOpsを支えるConvOpsを実現したチャット、デプロイメントパイプラインなどを含む複合的なツールであった。

この本ではそういったさまざまな視点でGitLabを徹底的に活用する方法が示されている。

エンジニアのためのGitの教科書 [ リクルートテクノロジーズ ]

難易度 ★☆☆☆☆
おすすめ度 ★★★☆☆

Gitの基本的な使い方の本。

最初の150ページくらいは初学者向け、本格的な場面で活用できるのは最後の50ページくらい。

Gitの使い方をクイックに学びたい人向けの本。

徹底解説Visual Studio Code [ 本間咲来 ]

徹底解説Visual Studio Code

徹底解説Visual Studio Code

Amazon

難易度 ★☆☆☆☆
おすすめ度 ★★★☆☆

基本的なテクニックを詳解した本。

習うより慣れろ、というタイプの人には不要。

チーム開発実践入門 [池田 尚史,藤倉 和明,井上 史彰]

難易度 ★★☆☆☆
おすすめ度 ★★★☆☆

もはやソフトウェア業界の常識となったCI/CDの基礎知識からツールの使い方までトータルにサポートしてくれる一冊。

SEにもPGにもおすすめできる。

ただし、今となってはDevOpsに着目した本がいっぱいあるのでそっちのほうがモダンかも。

フロントエンド

UIデザインの心理学 [Jeff Johnson]

難易度 ★☆☆☆☆
おすすめ度 ★★★★★

心理学のみならず、脳科学や神経学的な知見を元に、優れたUI(ユーザーインターフェース)とは何かを論じた名著。

本書は、多数の心理学等の論文を引用しつつも、UIの実装例とエンジニアが理解しやすい比喩を使って、具体的かつ実践的に説明している。

エンジニアにとって、デザイナーとの会話の橋渡しとなりうる素晴らしい本である。

ノンデザイナーズ・デザインブック [Robin Williams]

難易度 ★☆☆☆☆
おすすめ度 ★★★★★

“20年ずっと売れ続けている”という帯の煽り文句に惹かれて購入。

簡潔な4つの法則だけで良いデザインとは何か、を解説。

読者は、デザインの改善事例と豊富な練習問題を通じて、法則を身につけられる。

実務的で売れるのも納得。

一人から始めるユーザーエクスペリエンス [LEAH BULEY]

難易度 ★★★☆☆
おすすめ度 ★★★☆☆

「理解のない人たちのために働くのは、もううんざりだ」ー著者のリア・バーレイは、掲示板に投稿されたUXデザイナの悲嘆から語り始める。

彼女はユーザエクスペリエンス(UX)を「いかにそのテクノロジーが使いやすいかどうか」と定義し、UXをデザイン、リサーチ、グラフィック及びフロントエンドなどを含む広大な複合領域ととらえる。

彼女の言を借りれば、UXデザイナのマインドセットがこの雑多な領域を1つにまとめ、27のメソッドがUXデザイナのマインドセットをすべての関係者に影響を与えるのに役立つだろう。

バックエンド

マイクロサービス入門 [長瀬嘉秀,田中明,松本哲也]

難易度 ★★☆☆☆
おすすめ度 ★★★★★

マイクロサービスとは何か?という理論面から、どのようにデザイン、コーディングをするのか?といった実践面まで幅広い。

実用的。

独習デザインパターン [ 長瀬 嘉秀 ]

難易度 ★☆☆☆☆
おすすめ度 ★★★★☆

マネジメント

ソフトウェア見積り [ スティーブ マコネル ]

難易度 ★☆☆☆☆
おすすめ度 ★★★★★

ソフトウェア見積もりの基本が身につく本。

開発現場では驚くほど原始的手法で見積もりが行われていて、大抵は気合と感に頼っている。

著者はその現場に一石を投じる。

正確なソフトウェア見積もりには、見積もり時期、過去プロジェクトの統計情報、新規プロジェクトの計測データなどを使う。

その背景にあるのは「数えられるものを数える」という唯1つの原則である。

ベンダー・マネジメントの極意 [ 長尾清一 ]

難易度 ★★☆☆☆
おすすめ度 ★★★★★

フェルミ推定力養成ドリル [ ローレンスワインシュタイン,ジョン・A.アダム ]

難易度 ★☆☆☆☆
おすすめ度 ★★★★★

技術者や科学者は実験を通じて得られた少ない情報からより、多くのことを推論してそれを検証する。

これがフェルミ推定に他ならない。

本書では「政治集会に設置する仮設トイレの数は?」といった実用的?な多数の例題を通じて、フェルミ推定を身につけることができる。

アジャイル

SCRUM BOOT CAMP THE BOOK [西村 直人,永瀬 美穂,吉羽 龍太郎]

難易度 ★☆☆☆☆
おすすめ度 ★★★★★

すっと頭の中に入ってくる本。

あっという間に読み終わった。

スクラムの基本から具体的な実践を想定したアドバイスまでマンガを交えながら解説している。

最も大事な点は、プロダクトオーナー(責任者)とスクラムマスター(教育者)の役割を分けること、タイムボックスを必ず守ること、開発チーム全体で計画と目標を共有することの3点だろう。

SCRUMMASTER THE BOOK [Zuzana Sochova]

難易度 ★★★☆☆
おすすめ度 ★★★☆☆

筆者が述べているように、スクラムマスターはスクラムの中で最もわかりにくく、最も重要なロールだ。

筆者によれば、スクラムマスターは、6つのメタスキル(スキルを身につけるための学習スキル)をベースに、6つのコンピタンスを持つ。

中でも、最も重要なコンピタンスがアジャイルコーチング、ファシリーテーションだ。

アジャイルによる開発経験をもとに、ファシリテーションでチームをまとめ、コーティングでチームを成長させる。

それがスクラムマスターの役割だ。

組込みシステム

リアルタイムシステムとその応用 [ 白川洋充 ]

難易度 ★★★☆☆
おすすめ度 ★★★★★

きわどい時間定理とスケジューリング理論を数学的に詳解した2つとない本。

組み込み技術者やミドルウェア技術者に必要な知識が体系的に身につく。

HPC

ソフトウェア開発入門 [佐藤 文俊, 加藤 千幸]

難易度 ★☆☆☆☆
おすすめ度 ★★☆☆☆

本書では、世にも珍しいHPCあるいはシミュレーションソフトウェアと呼ばれる分野に特化したソフトウェア工学の入門書である。

シミュレーションソフトウェア開発には、要件は明瞭だが作業計画が立てにくく、また開発者がソフトウェア工学の基礎知識をしばしば欠いているという特徴がある。

本書はそのような状況を打開すべく一石を投じたものである。

リーダーシップのアフォリズム - 日本編

はじめに

リーダーシップに関する箴言(アフォリズム)をまとめた。

鎌田茂雄, 五輪書

人事

人をみわけてつかへば、其はか行きて、手際よきもの也

適材適所で人を使うべし。

構えの有無

有構無構

"構え"は有って、無きが如し。アジャイルで言うところの"守破離"の心。

花園上皇, 日本中世史を見直す

自己研鑽

是を以て寸陰を重んじ、夜を以て日に続ぎ、宜しく研精すべし。

寸暇を惜しまず、毎日勉強しましょう。

書に学ぶ

書中故人に遇い、ただ聖賢の締交あり。一窓を出でずして千里を観、寸陰を過さずして万古を経ん。

本を読むことは過去の偉人に出会うこと。窓から外に出ることなく、千里先を見て、わずかな時間のうちに遠い昔を知ることができる。

若い頃の苦労

太子宮人の手に長じ、未だ民の急を知らず。常に綺羅(きら)の服飾を衣て、織紡の労役を思うことなし。鎮えに稲梁(とうりょう)の珍膳に飽きて、未だ稼穡(かしょく)の艱難を弁えず。国に於て會て尺寸の功なく、民に於て豈毫釐(ごうり)の恵みあらんや。ただ先皇の余烈と謂うを以て、猥りに万機の重任を期せんと欲う。徳なくして繆りて王侯の上に託け、功なくして苟くも庶民の間に莅む。豈自ら慙じざらんや。

  • 織紡の労役:布を織り衣服を作る労働
  • 鎮えに:つねに、いつも
  • 稲梁の珍膳: ご馳走。稲梁は穀物
  • 稼穡:農業労働
  • 毫釐:ほんのわずかの
  • 先皇の余烈:先祖の天子が築いた功業のおかげ
  • 艱難:かんなん

太子は宮廷の人の手で育てられ、未だ民の災難を知らない。常に美しい服を着て、機織りの労役を思うこともない。美味しい食事に飽きて、未だ農業の困難をわきまえない。国に対して少しの功績もなく、民に対して僅かな恵みもない。

柘植久慶, 詳説 統帥綱領

威徳

軍隊志気の消長は指揮官の威徳にかかる。いやしくも将に将たるものは高邁なる品性、公明なる資質および無限の包容力をそなえ、堅確なる意志、卓越せる識見および非凡なる洞察力により、衆望帰向の中枢、全軍仰慕の中心たらざるべからず。かくのごとくにして初めて軍隊の志気を作興し、これをしてよく万難を排し、艱苦を凌ぎ、不撓不屈、敵に殺到せしむるを得べし。

威徳とは「人を自然に従わせる威厳と人徳」を指す。

能力

たとい能力に秀でざる者といえども、必ずこれに任所を得しめ、もってその全能力を発揮せしむること肝要なり。

能力が優れていないとしても、全力を発揮させて責任を遂行させる用にすべし。

内村鑑三, 代表的日本人

ビジネスとモラル

東洋思想の一つの美点は、経済と道徳とを分けない考え方であります。

モラルとルール

徳がありさえすれば、制度は、助けになるどころか、むしろ邪魔であります。

新渡戸稲造, 武士道

仁義のバランス

「義に過ぐれば固くなる、仁に過ぐれば弱くなる」

忠と考

中国では儒教が親に対する服従をもって人間第一の義務となしたのに対し、日本では忠が第一位に置かれる

「忠ならんと欲すれば孝ならず、孝ならんと欲すれば忠ならず」

日本人とメンツ

国民の感情に過ぎら事に激しやすき性質に対しては、我々の名誉感に責任がある。

日本人とフィロソフィー

我が国民が深遠なる哲学を欠くことの原因は(中略)武士道の教育制度において形而上学の訓練を閑却せしことに求められる。

土門 周平, 戦史に学ぶ「勝敗の原則」

信念と誤断

一つのイデオロギーに凝り固まるところに必ず誤断は生まれる

能力と負荷

天は英雄の偸安をゆるさず

有能な人(=英雄)は楽できない。

能力と人格

能力の根源は人格である。学識は能力の一要素にすぎない。

司馬遼太郎, 坂の上の雲<5>

国士の心得

国家は貴官の栄達のために学ばせたのではない

山田済斎 編, 西郷南洲遺訓

人材採用の心得

人材を採用するに、君子小人の辨酷に過ぐる時は却って害を引起こすもの也。

辨酷:べんこく

私心を排すること

廟堂に立ちて大政を為すは、天道を行ふものなれば、些かとも私を挟みては濟まぬもの也。

ボトムアップ

己れを足れりとせざるより、下々の言も聴き入るるもの也

国士の心得

己れを愛するは善からぬことの第一也。

国士の心得

命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、仕末に困るもの也。此の仕末に困る人ならでは、艱難を共にして國家の大業は成し得られぬなり。

艱難:かんなん

平等

道を行ふには尊卑貴賎の差別無し。

思考法

凡思慮は平生黙座静思の際に於てすべし。

福沢諭吉, 学問のすゝめ

有用と無用

有用の人を取って無用の事をなさしむるは策の拙なるものと言うべし。

木元寛明, 戦術学入門

官僚と研究

研究しただけで満足するという日本的官僚システムの悪しき例である。

リーダーシップのアフォリズム - 技術・職人編

はじめに

リーダーシップに関する箴言(アフォリズム)をまとめた。

堀越二郎, 零戦 その誕生と栄光の記録

イチから考えるということ

設計のしきたりや規格を、神格化して鵜のみにするようなことをやめて、その根拠を考え、新しい光を当ててみたらどうだろうか。

生みの苦しみと楽しみ

新機軸を打ちだすことは、苦しくもあるが、また、技術者冥利につきる楽しみでもあった。

矛盾する要求と技術者の思い

この二人の意見は、だれが見てもそれぞれ正しいことを言っているのであり、それゆえに議論は永久に平行線をたどるだろう。この交わることのない議論にピリオドを打つには、設計者が現実に要求どおりの物を作ってみせる以外にはない。

長期的な進歩

われわれ技術に生きる者は、根拠のない憶測や軽い気持ちの批判に一喜一憂すべきではない。長期的な進歩の波こそ見誤ってはならぬ

思い込みと不具合調査

「先入観をすて、慎重に調査研究をすすめ、ほんとうの原因と正しい対策をさぐらねばならない。しかも、それは早急にと要請されている。」

松浦晋也, 増補 スペースシャトルの落日

技術と政治

技術的問題に政治が介入するとろくなことにならない

要求分析

なんでもできる万能機械はすべての用途で寸足らず

神田國一, 主任設計者が明かすF-2戦闘機開発

NDAの弊害と外注の限界

主契約者の設計に関して間違いに気づいても何も言わず・・・日米開発事業で両国の優れた技術を基に互いに技術者が技術論議を重ね、技術的に優れた結論を出して設計に至ったことはなかった。

技術継承

およそ10年に一度、開発が行われれば、きちんと技術を継承できる

上司の役割

上司が若い技術者の働き場所を用意するのは、ゼロ戦堀越二郎氏の教えである。

マルティン・ハイデガー, 技術とは何だろうか

創造と進歩

「現前的であらざるものから、現前的にあり続けることへと、たえず移り行き、成り行くものにとっての、始動のきっかけとなるあらゆるもの、これこそがポイエーシス [poiesis]、つまりこちらへと前にもたらして産み出すことなのです」

技術とは

私たちは道をまちがってどこに迷い込んでしまったのでしょうか。私たちは、技術とは何だろうかと問うているはずが、気がつくとアレーテイアに、つまり顕現することにたどり着いています。

技術とは顕現させるあり方の一つ。

ベートーヴェン, 音楽ノート

自ら考えること

他人の忠告に従ってよいことはきわめて稀れである。一つの事柄をよく考えぬいた上では、だれが当人以上にすべての事情をもっと具体的に考え得られようか?!

早起きと勉学

毎日五時半から朝食まで勉強すること!

杉田玄白, 蘭學事始

プロの恥と決意

途中にて語り合ひしは、さてさて今日の實驗、一々驚き入る。且つこれまで心付かざるは恥づべきことなり。苟くも醫の業を以て互ひに主君主君に仕ふる身にして、その術の基本とすべき吾人の形態の眞形をも知らず、今まで一日一日とこの業を勤め來りしは面目もなき次第なり。なにとぞ、この實驗に本づき、大凡にも身體の眞理を辨へて醫をなさば、この業を以て天地間に身を立つるの申譯もあるべしと、共々嘆息せり。

自ら行動する

人に託してはわが本意も通じがたく、やむことなく拙陋(せつろう)を顧みずして、自ら書き綴れり。その中に精密の微義もあるべしと思へるところも、解しがたきところは、疎漏(そろう)なりと知りながらも、?ひて解せず。

外国語の訳し方

人々の暁り易きを目當として定むる方と決定して、或は翻譯し、或は對譯し、或は直譯、義譯と、さまざまに工夫し、かれに換へ、これに改め、晝夜自らうちかゝり

岡倉覚三, 茶の本

不完全さ

茶道の要義は「不完全なもの」を崇拝するにある。

王道なし

立派な茶をたてるのにこれぞという秘法はない

おのれの道をつらぬく

偉い利休は、自分だけにおもしろいと思われる物をのみ愛好する勇気があったのだ。しかるに私は、知らず知らず一般の人の趣味にこびている。

人間の本質

人間は十で禽獣、二十で発狂、三十で失敗、四十で山師、五十で罪人といっている。たぶん人間はいつまでも禽獣を脱しないから罪人となるのであろう。

貞観政要(呉競) 名言集

リーダーの資質

現代のトップのなかには、トップとして本来もつべき最低限度の資格条件さえ欠いているものも少なくない。これはもはや社会的罪悪ですらある。

平時の危機管理

居安忘危

(安きに居て危きを思う)

畏敬されるリーダー

可愛非君可畏非民

(君を愛すべからず、民を畏るべからず)

リーダーと諫言

木従縄則正、后従諫則聖

(木、縄に従えば正しく、后(きみ)、諫(かん)に従えば聖なり)

善悪に従って行動する

善善而不能用、 悪悪而不能去。 所以亡也。

(善を善みして而も用うる能わず、悪を悪みて而も去る能わず。亡びし所以なり。)

短所より長所をみること

未用其長、惟見其短

(ただその短を見て、いまだその長を用いず)

ただその短所だけを見て、

上級者と中級者の違い

上智之人自無所染。 但中智之人無恒、従教而変。

(上智の人は、自ら染まるところなし。ただ中智の人は恒なく、教えに従いて変ず。)

能力による評価

用人但問堪否

(人を用うるには、ただ堪否(かんぴ)を問う)

人を登用するときは、その能力(=堪否)だけで判断すべきだ。

部下は上司を見ている

流水清濁在其源也

(流水の清濁はその源に在るなり)

感情の制御

嗜欲喜怒之情、賢愚皆同。 賢者能節之不使過度。 愚者縦之多至失所。

(嗜欲喜怒の情は、賢愚みな同じ。賢者はよくこれを節して、度に過ぎしめず。愚者はこれを縦(ほしいまま)にして、多くところを失うに至る)

リーダーシップのアフォリズム - 米軍編

はじめに

リーダーシップに関する箴言(アフォリズム)をまとめた。

マイケル・アブラショフ, アメリカ海軍に学ぶ「最強のチーム」のつくり方

部下に指示する前にやること

私は目標を明確にし、それを行うだけの時間と設備を与え、部下がそれを正しく行うための適切な訓練を受けていることを確認しないかぎり、もう二度と命令を口にすることはしないようにと、心に誓った。

倫理的に判断すること

恥ずべきことだとわかった場合は、それを実行に移さなかった。誇りに思えるのなら、堂々とその道を進んだ。

部下の提案を受け入れること

すばらしいアイデアを採り入れるのに要する時間は、たった五分だった。

法的に判断すること

今日のめまぐるしく変化する世界にあっては、本当に重要なもの以外、規則は"厳然たる法"としてではなく、"指針"として扱われるべきである。

部下を鼓舞すること

この武勇伝における私の唯一の役割は、部下の話に耳を傾け、彼のアイデアを評価し、それがよいものだと確信すると、それを懸命に外部にアピールすることだけだった。

マイケル・アブラショフ, アメリカ海軍に学ぶ「最強のリーダー」

怒りを冷ますこと

「腹が立ったときは、伝えたい内容を書いて、ひとまず未決箱に入れておけよ。四八時間経ってまだ同じ心境であれば、そのまま送ってもいい。」

戦略と実行力

どれほどすぐれた戦略も、実行に移すすぐれた人材がいなくては、机上の空論にすぎない。

第一印象

第一印象などあてにならない。とくに人間の可能性を判断する際には。

無用な承認

大手メーカーの「ゼネラル・エレクトリック」が自社の大きな失敗例を分析したところ、上司の承認を一つ増やしたくらいでは防げた事例は、まったくなかったそうだ。

準備

「準備を怠ることは失敗の準備をしているのに等しい」

危機対応の心得

偉大な艦長というのは、危機を迎えたときにはかならず艦橋にいるものだ

人材像を示すこと

「どういう人が優秀であるのか」それをはっきりとさせ、なぜそれが重要かを伝え、そして乗組員全員に、誰もが実現できることだと自覚させる

ビジョンと数値目標

数字を達成するために働くというのはわかる。しかし、それがなんだというのだ?

競争と協力

パフォーマンスを向上させるのは競争ではなく連帯だ。

労働の対価

もちろんエンジニアにも可能な仕事だが、それでは艦のタービンに緊急措置や調整を施す時給一〇〇ドル(約一万円)に相当する仕事をする人が、時給一〇ドル(約一〇〇〇円)の仕事をするのに等しい。

娯楽

単調になりがちな業務を活気づけるためにも音楽を使い、業務に支障がないかぎり、パーティーや娯楽を推奨するほうがいい。

連帯

嵐のなかを歩けば艦長も水兵も等しく濡れるものだし、艦が沈めば溺れるのは全員だ

時間のセンス

人生はマラソン競技であって、短距離走とは異なる

自らを省みる

「部下が愚かに見えたら、自分が気をつけなくてはなりません。リーダーが思っているよりも、彼らはずっと頭がいいのです」

権威

すべてのリーダーは、その権限を象徴するモノをなかなか手放せない。

エドワード・M・フラナガンJr, アメリカ陸軍統帥法

アメリカ陸軍統帥法―リーダーシップと管理の52条

評価

伝説によれば、ドイツ参謀本部は歴戦の経験から、すべての将校は程度の差はあるが、二つの基本的な生まれつきの特徴、つまり知能と精力を持っているという結論に基づいた評価方法をし、これら二つの特徴のみを使って全将校を次の四つに分類した。

(1)頭がよくて、よく働く者は参謀。 (2)頭はよいが、なまけ者は司令官。 (3)頭が悪くて、なまけ者は連絡将校。 (4)頭は悪いがよく働く者は射殺。

心理的安定性

安定することがいかに有意義であることかは、第二次大戦当時の部隊の旧友会が何百となく全米で開かれていることをみればわかる。どの旧友会でも自分の隊が最高で、全世界を救ったのだと、全員が思っている。

働く理由

兵士が戦って死ぬのは勲章や栄誉や賜暇のためではなく、戦友と隊のためだと結論づけた研究が少なくない。

アメリカ海軍協会, リーダーシップ「アメリカ海軍士官学校候補生読本」

勇気と恐怖と責任

勇気は恐怖をもたぬ状態ではなく、一切の恐怖を抑圧し、たとえ明らかな危険を認めているにもかかわらず、職責を履行することである。

陶冶による規律

積極的規律とは、具体的な特別の命令を受けても受けないでも、個々の人たちが正しいことをしようと努力する心的状態を陶冶することである。

下級者たる部下

概括すれば、二〇世紀中期の士官は上司たる上級者であって、もはや「優越者」ではなく二〇世紀中期の応募兵は「部下たる下級者」であるが、劣等者ではない、といえるだろう。