Kannkyo Day's

ソフトウェアエンジニアの日常系ブログ

2019年7月の読書メーター

7月の読書メーター
読んだ本の数:11
読んだページ数:2672
ナイス数:312

ロシア宇宙開発史: 気球からヴォストークまでロシア宇宙開発史: 気球からヴォストークまで感想
再読。 違うロケットエンジンの燃料を研究するグループ同士でいがみ合ったり、共産党員に密告されてシベリヤ送りになったり、シベリヤで壊血病にかかって歯が10本以上抜けたり・・・。この種の技術史にはふさわしくないキナ臭い話題ばかりだ。 そんな中で面白いと思ったのは、宇宙開発初期の頃に官民のロケット研究所をトップダウン的に統合したこと。国民全てが共産党の指導下にあるが故に、赤軍の元帥の肝いりで官民統合も成し得た。もっとも、統合後に政治的対立が起きたことは言うまでもないが。
読了日:07月31日 著者:冨田 信之
NASAを築いた人と技術―巨大システム開発の技術文化NASAを築いた人と技術―巨大システム開発の技術文化感想
再読。 ロケット研究者のフォン・ブラウンは、第二次大戦中は独軍で、戦後はNASAでロケットの研究を主導した。彼は、マーシャル宇宙飛行センターの初代長官としてアポロ計画のサターンVロケットの開発を率いたリーダーである。開発当初の彼のリーダーシップは、独軍士官を手本とした典型的なOODAループのようであった。その後、組織の急拡大とともにOODAループ的体制の中に官僚的、システム工学的な管理手法を導入していくこととなる・・・。 あらためて読み返すと、OODAループと組織規模について考えさせられた。
読了日:07月30日 著者:佐藤 靖
トキよ未来へはばたけ―ニッポニア・ニッポンを守る人たちトキよ未来へはばたけ―ニッポニア・ニッポンを守る人たち感想
「日本にいるもっとも日本的な鳥」という意味の学名を持つニッポニア・ニッポンが絶滅に瀕し、復活するまでの物語。2003年にあと1羽にまで追い込まれた日本のトキは、中国との協力を経て2018年11月時点で370羽にまで回復した。
読了日:07月30日 著者:国松 俊英
アイヌ語入門アイヌ語入門感想
概ね日本語か漢文に近い。ただ、Ku kik.(私が打つ)が受動態だとA-en kik.になるのに、E kik. (彼が打つ)は受動態だとE kik an.になるのは面白い。受動形を示す語anと動詞kikの位置が分離するのは、さながらドイツ語の分離動詞のようだ。
読了日:07月29日 著者:戸部 実之
プレゼン資料のデザイン図鑑プレゼン資料のデザイン図鑑感想
ビジネス向きのプレゼン資料の作り方。やりすぎ感というか作り込み感がすごくてエンジニア向きではない。ただし、数字やチャートの魅せ方のエッセンスは活用できそう。
読了日:07月28日 著者:前田 鎌利
技術とは何だろうか 三つの講演 (講談社学術文庫)技術とは何だろうか 三つの講演 (講談社学術文庫)感想
ひとまず「技術とは何だろうか(Die Frage nach der Technik)」だけ読了。ハイデガーの主張を要約するとこうだ。技術は材料、意匠、用途及び職人を組み合わせて物を作るというあり方である。人は運命に駆り立てられるように、現代技術を使って自然からエネルギーや材料を搾取する。このとき、技術は定量的手法や論理的思考法を人に与えて、人を不遜で神をも畏れぬようにし、真理から遠ざけた。しかし同時に、その真理そのものに到達する力を人に与えた。その意味で技術は両義的で、危機と希望を人に与えうるのだ。
読了日:07月21日 著者:マルティン・ハイデガー
宇宙開発は平和のために宇宙開発は平和のために感想
国際的には宇宙利用は非侵略目的に限定されることが一般的だが、日本では非侵略よりさらに狭い非軍事に限定していた。しかし、宇宙基本法の制定により国会決議を上書き、これを拡張した。著者は、この拡張について独自の視点から批判している。興味深い意見ではある。
読了日:07月20日 著者:池内 了
テルマエ・ロマエV (ビームコミックス)テルマエ・ロマエV (ビームコミックス)感想
めっちゃいいところで終わってしまった。しかし、この表紙、読むのが恥ずかしすぎるんだが。
読了日:07月13日 著者:ヤマザキマリ
テルマエ・ロマエ IV (ビームコミックス)テルマエ・ロマエ IV (ビームコミックス)感想
日本のディアナとのラブロマンス編。
読了日:07月13日 著者:ヤマザキ マリ
宇宙ビジネスの衝撃――21世紀の黄金をめぐる新時代のゴールドラッシュ宇宙ビジネスの衝撃――21世紀の黄金をめぐる新時代のゴールドラッシュ感想
IT企業のビリオネアが次々と宇宙産業に参入。ITで培ったアジャイル開発や業務分析の手法をロケット開発に導入し、たった10年でこれまでにないほどの価格破壊と技術革新をもたらした。ロケットの次は人工衛星宇宙旅行、そして宇宙資源だ。小惑星の中には、総額10兆円ものレアメタルが眠っている「金の成る石」もある。日本もこのビッグウェーブに食い込めるのだろうか。広がる夢、しかし不安も拭い去れない。
読了日:07月06日 著者:大貫 美鈴
代表的日本人 (岩波文庫)代表的日本人 (岩波文庫)感想
キリスト教徒の内村鑑三が描いた日本人論。 筆者は世界に冠たる日本の著名人6人を紹介する。本書が執筆された明治四十一年は、日露戦争に勝った日本が突如として世界史の舞台に登壇し、迷い悩みながら歩んでいた時代。筆者の筆にもその迷いが見て取れる。筆者のキリスト教徒としての感情、日本人としての感性そして知識人としての科学的視点の3つが複雑に絡み合い、交錯していく。 陽明学キリスト教の共通点を指摘する一方、日本人が英雄を神と崇めることを擁護。そうかと思えば、日蓮の起こした奇跡を非科学性を指摘。時代を豊かに描く傑作。
読了日:07月02日 著者:内村 鑑三

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